関西自然探検録

関西の自然を体感した記録

和歌山 驚異の大自然 

どうも。僕です。

前回の和歌山探検録の続きの記事です。

和歌山紀南エリアです。

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ということで、一枚岩キャンプ場を後にし、向かうはGoogle マップで見つけた「大滝」というらしい滝。

大滝に向かって進むにつれてすごくローカルな、村の細い道になっていく。

左手に田んぼ、右手に山という感じ。

あぁ、この道で前から車が来たら嫌やな。と思っていると。

本当に、老夫婦が乗った車が近づいてきた。

H氏は、慣れない道でやむおえずバックで来た道を少し戻り、少し広くなっている家の前のスペースで前からくる車に道を譲った。

今思えば、この老夫婦の車とすれ違ったあたりから、道が険しくなってゆく。

あの狭い道での少しめんどくさい後退は、おっこと主からの警告だったのかもしれない。笑

ということで、ここから本格的なクネクネし細い山道に進路が変わってゆく。

 

 「あぁ、嫌な道やな。」

 「でも、もうしばらく進んでるし、戻る方がだるいやろ。」

 「そやな。何も見ずして、来た道を帰るのは探検家がすることじゃ無い。」

 「ジャーナリストやん。」

 「ん?なんかアスファルトの道じゃなくなってないか?」

 「確かに。たまにアスファルトが途切れてるよな。でも、あと少しで大滝やで。」

 「てか、車停められる場所あるやん。」

 「大滝のための停車場所やな。停めよう。」

 

てな感じで、少し来た道を帰りたくなるような細く荒いアスファルトの道が続いたが、無事に到着し車を降りる。

そして大滝へと続く茂みの入り口から、山の斜面を下っていく。

少しの道のりだが、険しい斜面にはロープが垂らされていたりしていたので絶景スポットとして訪れる人が多くいることが伺えられた。

 

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大滝への道のりの茂み

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茂みの奥の大滝

 

そして、なーんも期待せず調べもせずたどり着いた大滝がこちらです↓

 

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大滝さん

 

いや、パンフレット見たいな写真撮れた。(加工してます。)

滝の落差はそれほど無いが、美しい色の滝壺と緑に囲まれた様が神々しかった。

浅いところの水も透明感がすごくて、見ているだけで目が癒されました。

 

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回復の水

 

あぁ、戻らなくて良かったと。

まるで、飛び込み営業かのように突撃したけど、こんな成果をあげられるなんて。

また、探検ファイルの1ページに絶景を納められて良かったです。俺に孫ができたら見せたろ思いました。このブログ。

 

しばらく、写真を撮ってマイナスイオン吸い込んで大滝を後にすることに。

言うまでもなく、来た道は戻らない精神で、山道を海に向かって下りていくことにした。

しばらく走っていると「大鎌八幡神社」という(冒頭で載せているマップの一番左のスターマークの所)神社あたりで、左折するか直進するか選択を迫られた。

とりあえず一刻も早く大きい道に出たいので、海に近づく方向、つまり左折することを僕たちは選択した。

 

 「結構、昨日の夜から朝にかけて移動したな〜。てかまだ12時やん。」

 「せやなー。とりあえず下山したら昼飯食べるか。」

 「休憩やな。」

 「ちょっと待って、またアスファルト無いやん。未舗装やん。」

 「また、たまに途切れてるだけやろ。」

 「前に進むしか無いから。ジャーナリストは笑」

 

みたいな会話をしながら進んでいると、本格的に未舗装で乾いた砂にゴロゴロと大きな石や岩が割れたものが増えてくる。

右手には、今にも崩れそうな斜面。左手には、滑り落ちていきそうな崖。そして前方には未舗装な狭い一本道。

 

「これやばいわ。隊長、降りて重量減らすのと、進路に落ちてる石たちをできるだけどけてくれへん?」とH氏。

「確かに、二人乗ってたら車が沈んで、普通に石に擦れそうやな。わかった降りてジョギングしながら石どけていくわ。」

 

外は、カンカン照りの真夏の太陽である。

でも、こんなほっそい山道で車を故障させるわけにはいかないので、汗だくになりながら走り、大きな石を崖の方にぶん投げていく。

ピンチだが、何だか途中からいい運動かもなと能天気なことを考えていた。

このジョギングの後ろを車が追ってくるということをおそらく数㎞程、続けた。

その道中、時には、道を横切る砂の溝がありタイヤをとられたり、普通に通れると判断した道も凸凹な道なので石に車の底を擦ってしまったりを繰り返し、やっと念願のアスファルトが見えてきた。そのタイミングで隊長である僕は、車のケツを押しながら進んでいた。

この緊迫した状況も後少しで終わると何気なく地面を見た時、車の通ってきた道に微量の液体がポツポツとこぼれ地面を濡らしていることに気付いた。

本当に微量だったので、車内は冷房をつけてるからその水が滴っているんかな?くらいに思い、車に飛び乗った。もう前方はアスファルトの道だった。

 

 「あぁ、アスファルトのありがたさを感じるな。」

 「人間の手つかずの自然をハントすることをテーマにしてたけど、人間の作り上げた車もアスファルトもあってこその探検やったんやな。」

 「せやな。揺れ動く考えとかをもたらしてくれる探検はやっぱりなんだかんだ必要やな。」

 

 う”ーーーーーーーーん。ブオーーーーーん。

 

 「え?進まんねんけど。。。。」

 「やばいな。。。。。。」

 

ブオーーーーーン。ヴおーーーーーん。

 

 「とりあえず、ガソリンスタンドでチェックしよかガソリンないし。」

 

そして、ガソリンスタンドで停車し車を降りるとすでに車の下には赤オレンジという感じの液体がドポドポ漏れ出ている。

 

「これは、車の底にあるオイルパンが石に衝突して穴開いて液体が漏れ出てるな。」とH氏。

「ということは?」

「液体がなくなるにつれて、タイヤに力が伝わらなくなっていずれ動かんくなる。」

「やばいやん。」

「とりあえずガソリンスタンドにおったら邪魔やから、あそこの道の駅の駐車場行こう。」

 

そう。なんと下山したところにたまたま道の駅「すさみ」があったのだ。

アクセルベタ踏みで、やっと少し進むといった状態になった車でなんとか道の駅にたどり着き、すぐレッカー車の手配をする羽目に。

 

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回収されていくNISSAN CUBE

 

本当にギリギリの最後の力を振り絞って、道の駅までつれて行ってくれたキューブくん。

ありがとう。

この体験を振り返ると様々な考えが頭に浮かんできた。

まず、人間の作ったものの強さと弱さについて。

人間は、自然の厳しさに立ち向かうために鉄を加工することを発明し、武器や移動手段である車などを作り出した。

それに合わせて地球の表面をアスファルトで覆い走行を可能にし、定期的にアスファルトや車をメンテナンスすることでそれを維持している。

人間の力を超える機械を作り出し、体ひとつでは実現できない物事をどんどん成し遂げていっっている。

そんな人間の体一つでは到底敵わない力を備えた機械であっても、荒れ果てた道で少しの石っころに衝突しただけで、動かなくなる弱さもある。

便利を人間達が購入し、社会全体でそれを実験し、不都合があれば改善する。

その繰り返しが、文明をどんどん発達させるし、その維持が仕事を作る。

金持ちが、最先端の便利を享受し、そのお下がりが庶民へと少し遅れて渡される。

しかし、その最先端の便利を生み出す奴は、金なんて興味のないマイウェイゴーゴー人間だったりする。

そんな循環が人間の間にはある。人間の生み出す人工物は、自然とは真逆のものとして認識されるが、そんな人工物を生み出す人間社会全体を俯瞰で見ると、森が驚異の適材適所を見せ運営されているような自然に近い循環があるような気もしてくる。

苦しみも喜びも、孤独も団欒も全ての事象が人一人を救ったり傷つけたりする。

希望はないような今があったとしても、その経験が自分と誰かを繋ぎ、絶望の深さの分の喜びが返ってくるかもしれない。

そんなことを考え、今できること、やりたいことをやり続けるのみであろう。

その行動ひとつひとつが実験となり、全ての人が笑顔になる日が訪れるかもしれまへん。

 

二つ目の学びは、サバイバルとは何かと言うこと。

この経験を振り返ると、ピンチに陥った時にその時思い描ける最善の策を諦めずに実行したことがギリギリ助かった要因であると考えることができる。

石っころの道を、より早く安全に抜けるために一人下車し、丁寧に障害物をどかす手間を惜しむことなく繰り返した。どこまでオフロードが続くか分からないのにだ。

今見えている範囲だけを素材として未来に向かって一歩ずつ行動することによって、次の一手が自ずと見えてくる。

サバイバルとは、今を凝視し、思考し、策を生み出すことなのである。

その経験が、未来のサバイバルを切り抜ける素材として蓄積されていく。

自分の肉体的技術や思考として。

 

どんなに境地でも決して諦めずピンチを楽しみアドレナリンドバドバで生きていきましょう。

どうせ人生は暇つぶしなのだから。

 

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